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ベンチャー企業分析

設立5年で売上40億!会議室レンタルの仕組み

■会議室レンタルで売上40億

今年で10周年をむかえるアントレプレナー・オブ・ザ・イヤー2010ジャパン(EOY Japan)のセミファイナリストが先月発表されました。EOYとは、1986年、Ernst&Young(アーンスト・アンド・ヤング)により創設された起業家表彰制度であり、起業家の努力と功績を称える国際的な表彰制度です。アメリカからスタートし、今では44カ国にまで拡大しています。

今回、EOY 2010 Japanセミファイナリストとして30名が選出されていますが、株式会社ティーケーピー代表取締役社長である河野貴輝氏もそのひとりです。
株式会社ティーケーピーは、全国約550室の貸し会議室運営を中心に企業向け総合アウトソーシング事業を展開する会社であり、顧客企業数は7万超。創業5年にして売上40億円にせまる急成長中の企業です。
事業仕分け第二弾(2010年4月23〜28日)の会場を落札した企業としてご存知の方も多いのではないでしょうか。

ポータルサイトでの集客を中心としており、「貸会議室ネット」の他にも、「貸しオフィスネット」「懇親会ネット」「トラベルネット」などのサービスを運営しています。


■ビジネスモデルの肝キーワードは「持たざる」

未だ明るい兆しは見えてこない日本経済ですが、ティーケーピーは年々規模を拡大しており、売上は好調です。ティーケーピーにとっては不況が追い風となっているようです。

ティーケーピーが運営している会議室は4名〜用意されていますが、中心は研修やセミナー、採用会場として用いられる大規模会議室です。このご時勢で、維持費のかかる施設を所有することを避ける企業が増え、ティーケーピーのサービスへの需要が増えているというわけです。

顧客企業はティーケーピーと年間契約を結び、必要なときだけ借りて利用料を支払うという「持ち方」にかわってきているのです。ちなみに年間契約で埋まっていない期間については、ポータルサイトにて会議室レンタルとして時間貸ししています。保有会議室の平日稼働率は70%というのですから驚きです。

また、借りる側の需要が増えているだけでなく、貸す側の需要も増えています。
ティーケーピーは「サブリース」という形態をとっています。いわゆる又貸しです。仕入れの対象となるのは、建て壊しになるビルや、空きオフィス、ホテルの宴会場など。稼動していない不動産を狙って、短期契約で仕入れています。「次のオーナーが決まったら出ていく」など制約付きの契約ではありますが、その分低価格で仕入れることができます。会議室は設備も軽いため、顧客企業に安く提供することができるのです。
不動産オーナーにとっても、稼動していないスペースをリスクを負わずに収益化できるわけですから低価格で貸し出したとしても大きなメリットがあります。また、短期契約は、両者を結んでいるティーケーピーにとっても大きなリスクを負わず運営できる仕組みです。自社で施設を所有しないことで景気の波による賃貸価格変動に柔軟に対応することが可能になっています。

■クロスファンクショナルなサービス展開

経済状況を考えると今後もますます「持たない」傾向は高まっていくと考えられます。それに伴い、会議室レンタルに対するニーズもますます強くなっていくとことでしょう。
ただ、ティーケーピーが「会議室レンタル」事業をより伸ばしていくには、常に不動産の新規開拓をしていき、物件数を確保していく必要があります。しかし、それだけでは一定規模までの成長で頭打ちになってしまうことが容易に想像できます。

そこで、ティーケーピーが展開しているのが、会議室周りのサービスです。会議室を利用する顧客のさまざまニーズに応えるべく、不動産提供にとどまらないサービスを打ち出しています。ケータリングや弁当の手配をしたり、近隣ビジネスホテルと提携して宿泊付きで会議室を手配したり、セミナー講師派遣や採用支援まで行っており、管理部門向けのアウトソーシングを幅広く行っています。
また、最近では「コールセンター事業」を新たに設立。営業代行など営業部門向けのアウトソーシングサービスにも進出するようです。

借り手にとっても、貸し手にとってもメリットの大きいティーケーピーの会議室レンタルの仕組み。そのカギとなるのが「遊休資産」。高級ホテルの空き部屋ディスカウント販売を行っていた一休.com然り、細切れの土地を収益化するコインパーキング然り、眠った資産を掘り起こし、活用することで新たなビジネスが生まれるチャンスがあります。

あなたの周りにも眠った資産がありませんか。

エムアウト  高野公美子
   
高野公美子