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ベンチャー企業分析

住宅仲介ビジネスにおける成功企業

マンションや戸建の賃貸・購入を検討する際、Webでの情報収集というのは一般的になりつつあります。
アパマンショップ、アットホーム、CHINTAI、SUUMO、HOME'Sなど不動産・住宅情報の情報を提供してくれるポータルサイトも多々あります。

これらの中で、Webサイトへの掲載物件数で最大を誇るのがHOME'S(潟lクスト)です。
今回は住宅仲介ビジネスにおける成功例としてHOME'Sをご紹介します。


HOME'Sのビジネスはシンプルです。

エンドユーザーに対して無料で物件情報を提供して、高い集客力を持つことでサイト価値を向上させる。そして不動産会社に対しては掲載スペースを提供し、掲載料を獲得する。

この掲載料(ネット広告料)のみを収益源としています。

売上は次の要素に因数分解されます。
 
 売上 = 加盟店数・・・@ × 加盟店あたりの売上高・・・A

この@およびAをいかに増加させられるのか。このことが事業拡大につながりますので、とるべき戦略も明確になってきます。

≪@加盟店数≫
 不動産会社に対してセミナーを開催。営業の場もかねることで効率的に不動産会社にアプローチできる。

≪A加盟店あたりの売上高≫
 基本の掲載サービス以外に、オプションサービス(*)を別途提供し、追加料金を回収することで加盟店あたりの売上高を拡大する。
 (*)パノラマ掲載、営業スタッフ検索、詳細画面ランキングなど…


HOME'Sを運営する株式ネクストの企業情報を以下に示します。

 【HOME'S(運営会社:株式会社ネクスト)】(2009年11月時点)

  設立     : 1997年3月
  上場     : 2006年10月 マザーズ上場

  売上     : 89億円
  営業利益  : 10億円
  営業利益率 : 11.2%
  時価総額  : 185億円
  PER     : 48倍

  掲載物件数: 133万件
  加盟店  : 1万店
  実店舗  : なし

HOME'Sがユニークなのは、情報提供がWebサイトのみで、実店舗を一切持たず情報インフラに徹している点にあります。

HOME'SがWebに特化した展開ができたのは、事業の開始がインターネットの普及期だったからとも言えますが、1999年に設立したアパマンショップが不動産会社のFC化によるネットワーク作りを志向したことを考えると一概にそうとは言えません。

参考までにアパマンショップの概要もご紹介すると以下のようになります。

 【潟Aパマンショップホールディングス】

  設立   : 1999年10月
  上場   : 2001年3月 ヘラクレス上場

  売上   : 592億円
  営業利益 : 4.5億円
  営業利益率: 0.8% 
   ※直近の業績悪化は、不動産投資事業の落ち込みの影響
  時価総額 : 55億円

  掲載物件数: 73万件(Webで公開されている物件数)
  登録物件数: 480万件
  仲介実績 : 37万件/年
  直営店舗 : 72店
  FC店舗 : 863店

  売上構成 : 不動産仲介13%、マンション管理42%、
         不動産投資31%、他14%

アパマンショップも最初は不動産仲介から事業を開始しましたが、売上構成からも分かるように、マンション管理や不動産投資へ事業の主軸を移しています。
周辺領域への多角化ができているとも言えますが、投資事業という変動幅の大きな事業を持つことで、経営の安定性を欠いているとも言えます。

その結果、売上高はHOME'Sの6倍ありますが、時価総額では1/3〜1/4になっています。


HOME'Sの時価総額は185億円であり、アパマンショップ以外にも上場している同業他社が155億円(CHINTAI)や117億円(エイブル)であることを見ても、市場の評価を受けていると言えるのではないでしょうか。

HOME'Sの事業はシンプルですが、古い業界において既存事業者とは異なって、徹底的にWebに特化した事業展開をすることで成功した企業と注目すべき一社だと思います。


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ムアウト  西田耕太郎

   
西田耕太郎