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ベンチャー企業分析

新規参入の成功例 レッドブル

独占市場における新規参入の成功例 レッドブル

「レッドブル、翼をさずける。」のCMで有名なエナジードリンク、レッドブルをご存知でしょうか。
かつてコカコーラなどの大手企業が独占していた清涼飲料市場に新規参入し、マーケットシェアを奪取したレッドブルの戦略には学ぶべきポイントが多くあります。


レッドブルの創業は1987年に遡ります。
オーストリアで誕生し、1997年からはヨーロッパだけでなく、アメリカをはじめグローバルに展開し、2008年には世界で40億缶を販売するまでに成長しました。

非公開企業なので正確な売上高は不明ですが、2008年にはマーケティング活動に年間10億ドルを使っているという事実と、売上の30〜40%をマーケティング費用に当てているという創業者マテシッツの発言から、約30億ドルの売上規模と推計できます。


清涼飲料市場は、どこの国でも既存の大手企業が存在し、ブランドの確立や流通ルートの構築などによって参入障壁を築いています。そのような状況で、レッドブルはユニークなポジションを築くことでファン層を獲得していきました。

具体的には、バーやパーティー、エクストリームスポーツの会場で販売することで、販路の獲得と同時に、非日常の世界で力を出したいときに飲むドリンクというブランドを確立していったのです。


アメリカへの市場参入時には、コカ・コーラやペプシなど大手が存在する炭酸飲料市場の中で、炭酸エネルギー飲料市場というニッチ市場自体を新しく創造しました。

参入を果たしてブランドを確立した上で、既存の小売流通ルートの協力も得て、2005年にはアメリカのエネルギー飲料市場(6億5000万ドル)で、65%のシェアを獲得するまでに成長しました。

また日本では、既に存在する炭酸エネルギー飲料市場の中で、オロナミンCなどの「疲れたときに飲む」という製品とは一線を画し「運動や遊びで力を出したいときに飲む」という新しいポジショニングを明確に打ち出すことによって消費者に受け入れられることに成功しました。

他社の商品が平日の朝に売れているのに対して、レッドブルは主に夜に売れているというデータからも、ポジショニング戦略に成功したことが分かります。
(日経MJ参照)


レッドブルの新市場参入の成功事例からは、たとえ寡占市場であっても、大手企業と同じ土俵では勝負せず、異なるポジショニングを打ち出すことで独自の競争優位を築き成功をおさめる可能性がある、そんな勇気を与えてくれます。


【参考】

ハーバードビジネスレビュー 2008年11月号 マーケティング論の原点 
 「新規参入の必勝法〜未経験市場でいかにシェアを獲得するか〜」
 寄稿者:デイビッドJ.ブライス、 ジェフリーH.ダイアー
 訳:鈴木英介

100 Inc. (100 Great Business and The Minds behind them)
 著:エミリー・ロス、アンガス・ホランド
 訳:宮本喜一

エ
ムアウト  西田耕太郎

西田耕太郎