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創業4年で売上2億ドル!Googleを分析し尽くした驚くべきネットビジネス

■安価で大量にコンテンツを生成「Demand Media」

創業から4年もしないうちに、約2億ドル(2009年)を売り上げているというアメリカにある驚きの会社「Demand Media」。2010年IPO候補トップ10の1つとしてTech Crunchで取り上げられており、8月にはIPO書類を提出したとの発表もありました。創業者の1人が、SNSの先駆け的な存在であるMySpaceの元会長、リチャード・ローゼンブラットであることでも名を知られている会社です。

Demand Mediaは、運営サイトにコンテンツを配信し、そこからの広告収入を主な収益源としています。

【Demand Mediaの特徴】
 ・ユーザーに求められているトピックをシステマティックに検知
 ・記事を安く早く大量に生成
 ・SEOをうまく活用してトラフィックを集める
 ・アドセンスなど広告収入が収益源

同サイトには1万人を超えるフリーランス・ライターや動画制作者が登録しています。彼らを活用することで1日に6000本近くものコンテンツ生成が可能になりました。Demand Mediaが提示したトピックに合ったコンテンツを短時間でライターがつくりあげ、Demand Media側で無断流用がないかなどの審査をおこなったのち、インターネット上に次々とアップしていくという仕組みで成り立っています。

ここで、この仕組みの肝となっているのが、どのトピックのコンテンツをつくるか、それを判定しているシステムです。Googleなどの検索サイトを分析し、検索ワードや上位表示されているサイト・コンテンツを調査して、競合や、上位表示された際の予想広告収入などを割り出すのです。
そして、求められているコンテンツが表示されておらず広告収入が見込めそうな検索ワードがあれば、自分たちでそれに合ったコンテンツをつくり(ライターに発注し)、提供をして検索エンジン上位表示を獲得しています。
 
上位表示され、訪問ユーザー数の多いサイトになれば、アドセンスによる収益額も高まりますし、媒体価値もあがります。ユーザーにとっては自分が探しているキーワードに基づいたコンテンツが上位表示されていることで効率よくインターネット検索ができるという利点があります。

Demand Mediaにとって自社のコアとなるもの、それが掲載コンテンツを決定するための検索サイトを分析する独自の技術であり、徹底的に追求していくことでここにノウハウが蓄積されます。プロのライターと常に契約しているわけではなく、定期的に何かを発信したり、コンテンツありきで広告収入を狙っていく従来のメディアとは異なる仕組みになっているのです。この仕組みによってユーザーの検索ニーズに即座に対応することが可能になっています。


■課題となる生成コンテンツの質

ただ、Demand Mediaのようなビジネスモデルを不安視する声も上がっています。生成されるコンテンツに質が伴っていないというのです。ライターは、1本15ドル程度で記事を制作。安価で大量、検索エンジン上位表示を目的としている本ビジネスモデルが「質よりも量」を追い求めてしまっているのではないかという懸念です。

ユーザーが求めているものを即座に配信する仕組みは評価でき、それを可能にしているDemand Mediaのビジネスモデルも収益を生む非常に面白い仕組みです。しかし、ただコンテンツを配信すればいいというわけではなく、ユーザーに有益な内容を届けられなければ今以上にインターネット上にジャンクな情報があふれて本当に欲しい情報にたどり着けないという事態にもなりかねません。

きちんと質を保つためのキーは、Demand Mediaなどコンテンツ配信側のポリシーなのか、コンテンツ制作側の尽力なのか、Googleの検索エンジン技術なのか、はたまた新たな仕組みを取り入れたプレイヤーの参入なのか、あなたはどう思いますか。

エムアウト  高野公美子
   
高野公美子