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死亡債 / Death Bond

9月12日のNHKスペシャル「金融危機1年 世界はどう変わったか」にて、死亡債(Death Bond)という金融商品が紹介されていました。

危機震源地のアメリカでは既にリーマンショックの余波は収束を迎え、再び集まり始めたマネーが新たな投資商品を模索しているようです。


死亡債とは、生命保険の「死亡保険金を受け取る権利」を本人了解の下、生前に買い上げ、それらを混ぜ合わせて証券化した商品のこと。
数千人〜数万人の規模で集めて、ABS(資産担保証券)にした上で、ファンドに組み込むスキームです。

一般消費者から見ると、自分の生命保険を生きている間に買い取ってもらい、売却代金を手にして有意義な人生を送ろうという前向きなサービスとも言えます。
例えば、5000万円の生命保険に入っている人は、70歳の時点で30%ぐらいの金額で自身の生命保険を売ることができるという発想です。

既に身寄りが亡くなった人などからすると、死後にお金がもらえるより、生きてる間に現金化したいと考える人もいるかもしれません。
(当然、解約返戻金の少ない保険商品に限った話ですが・・・)

人の死をディールするなんて!という意見もあると思いますが、死は「一定確率で必ず起こり」、且つ「景気動向に左右されない」性質のものであるため、株式や外貨取引などと違い、安定した利回りを生む確実な金融商品になるそうです。

私は保険業法に明るくないので、「死亡債」自体が日本国内において可能なビジネスモデルかどうかは分かりませんが、これから学ぶべきところは、「世の中には、まだまだ見過ごされている債権債務があり、それを流動化することがビジネスになる」ということです。

応用展開を模索するにあたり、押さえるべきポイントは、

@ 1件当たりの金額が大きいか、世の中にたくさんの件数が存在するか
⇒生命保険のように1件あたりの受取金額が大きいか、もしくは発生件数が多くなければ効率が悪く、高い利回りが出せないでしょう。

A 債権回収が容易であるか
⇒消費者金融の貸付債権のように不良化する可能性が高い債権だと投資商品として成立しません。

B 回収サイトが長いか
⇒回収サイトが短い債権の場合、債権者もわざわざ割り引いて(ディスカウトして)まで債権を売る必要がないため、同じく成立しないでしょう。


そういう観点で応用できそうな債権を思いつくまま挙げてみると、

・ 未収税金 (国&地方自治体からの買い取り)
・ 受取年金 (生保と同じ発想)
・ 退職金、ボーナス
・ 親族からの相続金
・ 不動産の賃料収入 (空室保証)
・ 出産助成金 (民主党政権下、1子あたり55万円)
・ 火災保険、地震保険 (もしもの後は、借家に住もうと割り切れる人向き)
・ 飲み屋のツケ
※法律上の可能・不可能は調べてませんので悪しからず。

などなど。

皆さんも何か考え付きますか?

齋藤英一