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「それがあたりまえ」を変える

通勤電車の扉の上部についている、緑の広告。

「ライフネット生命」です。以前にもご紹介させていただきましたが、サービスインから約1年が経過し、多くのメディアでも紹介され、顧客に支持されているようです。

「ライフネット生命」は古い保険業界の中で、「保険=わかりにくい」という、それがあたりまえだったのを、「保険=わかりやすく、安い」という構造にしたのです。
古くからの凝り固まった、ビジネスモデルを大きく変更した結果、顧客から支持をされたのでしょう。


同じような事例で、1,000円カットの「QBHouse」。

こちらも、古い理容業界の「基本サービス=カット+充実したサービス」という、それがあたりまえを、「基本サービス=カットのみ、格安に」という、シンプルな構造にしました。
これが顧客に支持されたのだと考えます。


こちらの二つに共通している事は、顧客自身も気づいていない、声無き声のニーズを捉え、それによって、これまでのあたりまえを変えたこと。

現在、エムアウトでは、ガーデニング業界の「あたりまえ」に着目しています。


近年ガーデニングを趣味にする人や、今後やってみたいという人が年々増加してきています。そんなトレンドの中で、庭がないマンションのベランダでガーデニングを行う人も多くなってきているのですが、制約も多いのが実情です。


いざ始めようと思っても、これが結構大変なのです。
ガーデニング関連の苗や資材を購入する際に、8割以上の人が利用するのがホームセンターなのですが、いざ店舗に行ってみると、いろいろと難関が待っています。
(全てのホームセンターがそうではないとは思います)

最初の難関は、商品数が多くていったい何を買えばいいのか分からないということ。
次は、資材(プランター、苗、土、肥料、農薬、スコップ等)の運搬について、荷物が大きい上に重い、また種類が多くて一苦労。お年寄りや、車を持っていない人は特に大変です。

最初の購入時の難関を、なんとか乗り越えたとしても、育てている時に植物が病気になったり、虫がついたりするのですが、これといった対処方法を調べることがまた難しいのです。
というのも植物は生き物ですから、同じような症状だとしても、環境の違いによって細かい点が異なってきます。したがって、書籍などによる一般的な情報だけではなかなか適切な対処方法までたどり着くことができません。

それに加えて、野菜を収穫したり、花の季節が終わったりした時、最後は土の処分に困り、プランターごとベランダの隅に追いやられているのです。
つまり売ったら、売りっぱなしの業界。それがあたりまえ。
消費者が抱く、これら諸々の悩みは、古くから解消されていないのです。


それは、なぜでしょうか?

電化製品と違って、植物は生き物です。商品の特性上、品質にバラつきがあってあたりまえということで、購入後に枯れてしまっても購入者側の管理責任であるという暗黙のルールのようなものがあります。

そのため資材メーカーは、顧客フォローのために必要な、一人一人の顧客の購入→栽培履歴データ(誰が、どこで、何を購入し、どんな結果になったのか)を収集する必要が無く、顧客ニーズに合致した商品企画、開発、提案につなげられていないと考えます。


この業界で、顧客データを収集する仕組みを作り、顧客ニーズを反映した商品を提供する。次に、顧客自身も気づいていない、声無き声のニーズを捉える。

それが今、ガーデニング業界における暗黙の認識、これまでのあたりまえを変えることができれば、大きなビジネスチャンスがあると考えます。

そもそも顧客の声を活かせていないビジネスや、「それがあたりまえ」と黙認されているサービス。そこにビジネスチャンスがあるかもしれません。

エムアウト  河野佳介

河野佳介