トップ > 話題の商品 サービス分析 > 家賃保証のリプラスが破綻

話題の商品 サービス分析

家賃保証のリプラスが破綻

2008年9月24日 株式会社リプラスの破産手続きが開始されました。

エムアウト内でも、急速に成長したリプラスのユニークなビジネスモデルに注目していたこともあり、大変残念なニュースです。

リプラスは、家賃保証事業で急成長した企業です。

これまで個人が賃貸住宅を借りる場合、肉親などに頼んで「連帯保証人」になってもらうのがあたり前という業界の商慣習にあって、連帯保証人の代わりの役割を担う「保証会社」としての機能を提供し、広く普及しました。

具体的には、入居時に入居者から家賃の0.5カ月分の初回保証委託料を徴収し、大家に対して家賃の保証を行うビジネスです。

日本において、家賃滞納というのは非常にレアな現象である中、大数の法則を活用して上手く与信管理を行い、順調に成長してきたように見えていました。

今回の破産に至った原因として、不動産業界の信用収縮の煽りを受けたのか、不況の影響で、想定以上の家賃滞納が発生してしまったのか、格差拡大の折、家賃滞納もレアな状況ではなくなってしまったのか、もしくは経営上何らかの問題があったのか、外部から見る限りでは本当のところは分かりません。

ただ、個人的な意見としては、家賃保証だけではなく家賃の収納代行まで行ったことが、遠因となったのではないかと考えています。

家賃保証だけを行っているうちは、本当に支払えなくなった人の分だけ保証が発生します。
しかし、収納代行もセットに実施するとなると、入居者が延滞しただけでもリプラス側から大家に先に支払いを行う必要があります。
つまりキャッシュフローのリスクを取っていくということです。

また入居者への家賃督促も、リプラスという一業者が行う場合、大家が直接行うのと比べて、入居者側が持つであろう「支払わなければ住むところがなくなってしまう」という危機意識が弱くなってしまうこともあるかもしれません。

家賃保証だけでなく、収納代行もセットでサービス提供することは、大家から見た時の付加価値が大きくなり、事業が正常に回転している分には事業成長のステップになるのですが、裏腹のリスクが今回は結果的に命取りになったということではないでしょうか。

事業成長にはリスクテイクが不可欠ですが、その時の内外の状況に合ったリスクの取り方をしなければならない。
また、その判断は極めて難しいのだと改めて考えさせられた事例でした。

エ
ムアウト  村岸栄一
 村岸栄一