事業発想のポイント
米で注目のオークション代行!日本上陸の立役者がその出店戦略を語る@
家にある不要品をインターネットで売買できる「ネットオークション」。
日本では、ネットオークション利用経験者は6割を超えますが、知らない人とのやり取りに不安を感じる人や、もっぱら購入するのみで、出品は手間がかかって面倒、やり方がよくわからないといった人も多いのではないでしょうか。
そんなニーズに着目してアメリカで誕生したサービスが、ネットオークションの出品代行ビジネスです。
代表的な企業として挙げられるのが、2003年創業のスナッピーオークションズ。
アメリカでは70店舗以上を構え、数百万人が利用しているとのこと。
2006年には、日本にも上陸しています。
→ http://www.snappyauctions.net/
※参考記事
「手間や不安を解消!米で拡大中のネットオークション代行サービス」
今回のM-Labo magazineでは、日本上陸の立役者であるスナッピーオークションズ株式会社 代表取締役社長 土屋 晃氏に直接お話を伺ってきました。
その全容を2回にわたって、皆様にお届けします。
−起業したきっかけについてお聞かせください。
フランチャイズ(以下FC)研究のために渡米したことが始まりですね。
これまでも日本で様々なFC業態の開発を行っていたことから、FCビジネスの面白さや多様性をもっと追求したいという思いがありました。そこで、2006年に、FCという業態が日本より進んでいる本場アメリカに研修に行ったというわけです。
日本のFCは、6割がコンビニエンスストアで、残りは小売または飲食がほとんどです。しかし、アメリカでは、小売、飲食はもちろんのこと、会計事務所やコストダウン専門コンサルティングなどといった業種までFC展開されているんですよ。
アメリカではFCブローカー(FCパッケージ販売の仲介人)と業界問わずさまざまなFC本部を視察しました。
その中のひとつが「スナッピーオークションズ(SnappyAuctions)」で、私が最も可能性を感じた事業だったのです。
アメリカでスナッピーオークションズはe-bayと組んで急成長していました。日本では未だないモデルでしたし、Y!オークションがどんどん大きくなっているという状況があったので、これは日本でも展開できるのではないかと。
Y!オークションユーザー630万人のうち、出品している人は3割程度しかいません。
出品しない理由として、3割以上の方が「出品するのが面倒だから」ということを挙げています。
確実にニーズもある事業だと思いました。
−実際、日本で立ち上げてみてどうでしたか。
2006年11月にアメリカのスナッピーオークションズ本部と契約を結び、私を含め4名で日本にて立ち上げ、2007年7月、1号店を下目黒にオープンさせました。
アメリカで3週間ほど研修を受けてからの展開でしたが、日本はアメリカとは根本的に異なる部分も多く、試行錯誤の連続でしたね。
店舗面で言えば、アメリカでは土日定休、ロードサイド店で1店舗あたりの面積も広い。しかし、日本で、しかも都心ともなるとそうはいきません。
スナッピーオークションズの根幹は保ちつつ、日本流にアレンジしていきました。
例えば、都心では家賃がどうしても高くなってしまうので、店舗を広く構えることは難しいので、物流などはアウトソースを活用しています。これによって、店舗を小さく、人を少なくして、固定費を最小限に抑えられるような体制を確立してきました。
−出店場所はどのように選定されたのですか。
現在、下目黒、深沢、駒沢の3箇所に出店しています。
金銭的に余裕のある層が多い地域であるというのはもちろんですが、前職でこの地域への出店経験があるので土地勘があったということが大きいですね。物件や立地価値を判断する際には前職の経験が役立っています。
スナッピーオークションズの出店場所については、商業立地ではなく住宅立地のほうが向いているということが通常の店舗とは異なるところです。
地域の人たちにいかに認知してもらうかということがポイントになりますので、住宅地の一角にあったほうがいいのです。
また、都心では車を所有していない人も多いので、家から近い場所に立地することは重要だと思っています。
お客様の8割が店舗から800m以内にお住まいの方なんですよ。
もちろん、住宅立地に出店することにより店舗コストを下げられることは事業としての利点ですね。
−店舗を持つことはリスクになるとも思うのですが。
確かに固定費を抱えることにはなります。ただ、それ以上に信用力形成の役割が大きいです。実店舗を持っていると信用度合いが高まります。
近隣の人への認知が非常に重要ですから。
広告費と思えば安いものですよね。
−仕入れについて詳しく教えていただけますか。
基本的に仕入先は「個人」です。
持ち込みよりも出張預りがメインになっています。
一般的に、営業マンを家にあげることに抵抗を持つ方は多いです。
しかし、当社は一般的なモノやサービスを売る業者ではなく、「不用物に価値を見出してくれて、家にお金を運んでくれる人たち」として見て頂いていて、家に入れるという行為も抵抗なく行っていただけているようです。
これはお客様と信頼関係を築けているからこそだと思っています。実店舗を持ち、地域に根ざした運営を行っているという点が活きているのではないでしょうか。
それほど多いわけではないですが、法人からの仕入れもありますね。
閉店する飲食店や塾からご依頼を受けたこともあります。
また、通販会社から過剰在庫などの出品依頼を受けることもありますが、こちらは難しい部分も多いですね。
同じ商品を何点も取り扱うので、Y!ショッピングや楽天市場のショップと同じ立ち位置になってしまうので、1点物に価値を見出すオークションには向きにくいと思っています。
現在、Y!オークションにはY!ショッピングに出店していた事業者がどんどん進出してきていて垣根がなくなりつつあります。本来のオークションの魅力が薄れてきてしまうのではないかという懸念もありますね。
〜土屋社長、ありがとうございました。
インターネットでの販売にあえてリアルな店舗を持って運営するのには、認知や信用力形成の面で大きな意味があったようです。
ただ店舗にはこれら以外にも、さらに重要な役割があるようです。
次回は、地域に根ざした店舗を持つことの新たな可能性と、スナッピーオークションズがお客様に支持されている理由についてお送りします。

高野公美子


