2009年07月14日 19:54

新規事業のヒント!|一度はどこかで見たことがあるお水

私が見たことがある場所は、自分のオフィス、病院、アパレルショップ、
マッサージ店、友人宅。それはレンタルウォーターサーバー。皆様も
一度は、どこかで目にしたことがあると思います。なぜでしょう、あれを
見つけると、必ず飲みたくなってしまうんですよね・・・。

この宅配水ビジネスは、この数年で急成長してきました。
08年現在の市場規模は477億円、対04年比で400%の伸張率です。ちなみにミネラル
ウォーター市場は2900億円(対04年比で160%)と、市場規模としてはまだまだ
ミネラルウォーター市場の方が大きいですが、市場の伸張率から推測する限りでは
、今後この差が縮まってくると予想されます。
アメリカでは宅配水市場とミネラルウォーター市場は、50:50といいますから、驚きです。

なぜ宅配水市場が成長し続けているのでしょうか?
これまでは、法人向け、特に大企業や工場などが中心で、小規模事務所や、店舗、あるいは一般家庭はまだまだ開拓できていませんでした。

しかし、宅配水の価格が次第に低下し、ペットボトルのミネラルウォーターと比較しても、
大差がなくなってきました。それによって、一般消費者からも重いペットボトルの水を買って家まで運んだり、
廃棄しなければならなかったりという手間を省ける宅配水に支持が集まっているのです。
この宅配水業界シェアNO.1が、「アクアクララ」です。
シェアは、家庭用サーバー設置100万世帯(08年9月)の内、30万世帯の30%。
業績も04年創業、08年度売上44億円と順調に成長を続けており、利益面を見ても、09年度は
黒字化が見えてきています。


アクアクララのビジネスは、家庭用に小型のウォーターサーバー(1050円/月〜)を
有料でレンタルし、さらに1Lあたり105円で水を販売するというものです。
また、電話で注文すれば、家まで無料で宅配してくれます。

ビジネスモデルとしては、個人で購入するには高価なウォーターサーバーを安価にレンタルし、
あとは毎月一定量の消費が見込める水代で、売上を積み上げるというものです。
ミネラルウォーターを購入した時に発生する、運搬や、ゴミ捨ての不便さを解消することを付加価値と
するシンプルなモデルなのです。

アクアクララの親会社は、LPガス提供販売のACレモン(株)です。
親会社がLPガスの提供販売をしていたため、個人宅への配送チャネルがすでに確保されており、
追加の投資コストが抑えられたことと、個人宅へのプロモーションもかけやすかったことが事業のスムースな
立ち上げにつながったと考えられます。

事業が軌道に乗った現在、ウォーター・サーバーの機能性、宅配の利便性から、既存の
会員がご近所や
知人に勧めるケースが多く、口コミによって会員が増え続けています。
また、水は商材として毎月安定的な消費量が見込めること、現状では解約率も1.5%と低いことから、新規会員が増えずとも、
売上が極端に減少しにくいのが特徴です。

現在の事業内容は水の販売だけですが、水を配達する時に、ご自宅の中にまで入り込むという特徴を活かして、
周辺領域のクロスセルを次々と検討できると考えれば、その可能性は広がります。
そういった意味でも、まだまだ目が離せない事業です。

使ってみたいが、高価でなかなか購入できないものの貸し出し、その周辺の資材を
安定的に販売する。既存のチャネルを活用することで、新規サービスをクロスセル展開する。
新規事業を考える上でのヒントになるのではないでしょうか?



エムアウト 事業開発グループ 河野佳介
事業開発グループ
河野佳介


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